心電図の心拍数計算マスターー300法と記録紙の読み方
看護師国家試験 第106回 午前 第34問 / 人体の構造・機能 / 循環器系
国試問題にチャレンジ
ペースメーカー装着患者における右心室ペーシング波形の心電図を別に示す。心電図の記録速度は通常の25mm/秒であり、矢印で示した小さなノッチがペースメーカーからの電気刺激が入るタイミングを示している。 心電図波形によって計測した心拍数で正しいのはどれか。
- 1.30/分以上、50/分未満
- 2.50/分以上、70/分未満
- 3.70/分以上、90/分未満
- 4.90/分以上、99/分以下
対話形式の解説
博士
今日は心電図の心拍数計算じゃ。ペースメーカー装着患者の波形から心拍数を読み取る問題を通じて、基礎をマスターしていくぞ。
アユム
まず、心電図記録紙の「1マス」って何秒を表しているんですか?
博士
標準記録速度は25mm/秒。つまり1秒で紙が25mm進む。小マスは1mmだから0.04秒、太い線で区切られた大マス(5mm)は0.2秒じゃ。
アユム
大マス5個で1秒ってことですね。
博士
その通り。この感覚を最初に押さえると一気に楽になる。
アユム
心拍数ってどうやって計算するんですか?
博士
一番簡単な方法は「300法」。心拍数=300÷(R-R間隔の大マス数)。例えばR-R間隔が大マス5個なら60/分、4個なら75/分、3個なら100/分、2個なら150/分じゃ。
アユム
暗記すると早いですね。本問ではR-R間隔は何マスくらいなんですか?
博士
問題の図を見ると、R-R間隔は3マスと4マスの間に入る。つまり心拍数は75〜100/分の間。選択肢では「70/分以上、90/分未満」が該当する。
アユム
もう一つの方法もあるって聞きました。
博士
「記録時間法」じゃ。記録紙全体が何秒分かを計算し、その間のR波数から1分換算する。通常の記録紙は大マス20個=4秒が多い。本問では4秒間にR波6回だから、60÷4×6=90/分。
アユム
90/分だと選択肢4の「90以上99以下」に入りそうですが…
博士
上限ぎりぎりなのじゃ。R-R間隔を見るとちょうど4マスより少し狭い部分もあって、計算の取り方で90弱〜100弱になる。総合的には3が最適、というのが作問の意図じゃ。
アユム
ペースメーカーのスパイクって、心電図のどこに見えるんですか?
博士
ペースメーカー電極がリードに刺激を送る瞬間、心電図上に極細い縦線(スパイク)として記録される。右室ペーシングならQRSの直前にスパイクがあって、そのQRSは左脚ブロック型の幅広い形になる。
アユム
ペースメーカーの適応にはどんなものがありますか?
博士
完全房室ブロック、洞不全症候群(ブラディ・タキ症候群含む)、症候性徐脈、肥大型心筋症の一部などじゃ。徐脈性不整脈が中心じゃな。
アユム
装着後の生活指導では何に注意しますか?
博士
強い電磁波を避ける(MRIは条件付きMRI対応機種以外は原則禁忌、IH調理器は離れて使用、電気毛布は注意)、刺激発生器部位を強くぶつけない、手帳の携帯、定期的な外来受診などが基本じゃ。
アユム
スマートフォンは大丈夫ですか?
博士
本体を胸ポケット(ジェネレーター真上)に入れないこと。通話時は反対側で、などが指導内容じゃ。
アユム
心電図計算と生活指導、両方押さえます!
POINT
記録速度25mm/秒の心電図では小マス1mm=0.04秒、大マス5mm=0.2秒となり、心拍数は「300÷R-R間隔の大マス数」で素早く算出できます。本問のR-R間隔は3〜4マスなので心拍数は75〜100/分に収まり、選択肢3「70/分以上、90/分未満」が正解です。別法として「4秒間に6拍」ならば60÷4×6=90/分と計算でき、上限ぎりぎりで3に該当します。ペースメーカー装着患者ではQRS直前にスパイクが見え、右室ペーシングでは左脚ブロック様のQRSとなるのが典型。臨床では心電図計算の基本に加え、電磁干渉への生活指導、手帳携帯、定期受診の支援が看護師の重要な役割です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:ペースメーカー装着患者における右心室ペーシング波形の心電図を別に示す。心電図の記録速度は通常の25mm/秒であり、矢印で示した小さなノッチがペースメーカーからの電気刺激が入るタイミングを示している。 心電図波形によって計測した心拍数で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。心電図記録速度25mm/秒では、大マス1つ(5mm)=0.2秒、小マス1つ(1mm)=0.04秒になります。心拍数は「300÷R-R間隔の大マス数」で簡易算出でき、4マスなら75/分、3マスなら100/分です。本問のR-R間隔は3〜4マスの間であるため、心拍数は75〜100/分の範囲に入り、選択肢では「70/分以上、90/分未満」が該当します。別解として、記録紙全体の秒数(通常20大マス=4秒)にR波の数を数えて×15倍する方法でも、4秒間に6拍なら60÷4×6=90/分となり同じ領域に収まります。
選択肢考察
-
× 1. 30/分以上、50/分未満
R-R間隔が6マス以上の極めて徐脈な波形に相当する。本問はそれよりも明らかに速く、該当しない。
-
× 2. 50/分以上、70/分未満
R-R間隔が約4〜6マスに相当する。本問のR-R間隔は3〜4マスなのでこれより速い。
-
○ 3. 70/分以上、90/分未満
R-R間隔が約3〜4マスのとき、心拍数は75〜100/分。記録紙4秒間に6拍で90/分というのも同じ範囲で、選択肢3が合致する。
-
× 4. 90/分以上、99/分以下
本問では4秒間に6拍で上限値90/分に到達しており、90以上の領域に「入らない」。R-R間隔を見ても上限付近でわずかに下回るため3が適切。
心電図の読み方の基本:記録速度25mm/秒の場合、小マス(1mm)=0.04秒、大マス(5mm)=0.2秒、大マス5個=1秒。心拍数の簡易計算法は①「300法」:300÷R-R間隔の大マス数、②「1500法」:1500÷R-R間隔の小マス数、③「10秒法」:10秒分の記録(大マス50個)でのR波数×6。ペースメーカー波形では心室リード刺激の前に鋭いスパイク(ペーシングスパイク)が出現し、その後に幅広いQRSが続く。右室ペーシングでは左脚ブロック様のQRS波形となるのが典型。
心電図の記録速度(25mm/秒)の知識と、R-R間隔から心拍数を算出する基本計算(300÷大マス数、または記録時間あたりのR波数)の理解を問う問題。
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