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アルドステロンは『Naをためて血圧を上げる』副腎皮質ホルモン

看護師国家試験 第106回 午後 第27問 / 人体の構造・機能 / 内分泌系

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第27問

アルドステロンで正しいのはどれか。

  1. 1.近位尿細管に作用する。
  2. 2.副腎髄質から分泌される。
  3. 3.ナトリウムの再吸収を促進する。
  4. 4.アンジオテンシンⅠによって分泌が促進される。

対話形式の解説

博士 博士

今日は内分泌の要、アルドステロンを攻略するぞ。

サクラ サクラ

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系、名前は覚えているんですが流れが曖昧です。

博士 博士

順に整理しよう。血圧が下がると腎臓の傍糸球体装置から『レニン』が出る。これがスイッチじゃ。

サクラ サクラ

レニンが何をするんですか?

博士 博士

肝臓のアンジオテンシノーゲンを『アンジオテンシンⅠ』に変える。そして肺のACE(アンジオテンシン変換酵素)によって『アンジオテンシンⅡ』になる。

サクラ サクラ

ⅠとⅡの違いがややこしいです。

博士 博士

活性が強いのはⅡじゃ。Ⅱは強力な血管収縮を起こすとともに、副腎皮質に働きかけてアルドステロンを分泌させる。

サクラ サクラ

つまり、選択肢4『アンジオテンシンⅠによって分泌が促進される』は誤りで、正しくはⅡですね。

博士 博士

正解!ここがひっかけポイントじゃ。

サクラ サクラ

アルドステロンは副腎のどこから出るんでしたっけ?

博士 博士

副腎皮質の『球状層』からじゃ。副腎髄質ではないので選択肢2も誤り。ちなみに副腎髄質はアドレナリンやノルアドレナリンを分泌する。

サクラ サクラ

副腎皮質はホルモンが多くて混乱します。

博士 博士

皮質は外側から球状層・束状層・網状層。球状層=アルドステロン、束状層=コルチゾール、網状層=アンドロゲンじゃ。『ソルト・シュガー・セックス』と覚えるとよい。

サクラ サクラ

覚えやすい!では作用部位は?

博士 博士

腎臓の遠位尿細管と集合管の主細胞じゃ。ここでNaと水を再吸収し、代わりにKとH⁺を排泄する。

サクラ サクラ

近位尿細管ではないんですね。

博士 博士

近位尿細管は糸球体濾過液の大部分を再吸収するが、アルドステロンの主作用部位ではない。選択肢1は誤り。

サクラ サクラ

Naが再吸収されると血圧が上がる理屈は?

博士 博士

Naが増えれば水もついてくる。循環血液量が増えて心拍出量・血圧が上がるのじゃ。

サクラ サクラ

高血圧の薬で、ACE阻害薬やARBってこの系を狙っているんですね。

博士 博士

その通り。スピロノラクトンはアルドステロン受容体を直接ブロックする『アルドステロン拮抗薬』じゃ。

サクラ サクラ

原発性アルドステロン症という病気もありましたよね?

博士 博士

副腎腺腫などでアルドステロンが過剰分泌され、高血圧・低K血症・代謝性アルカローシスを呈する。二次性高血圧の代表格じゃ。

POINT

アルドステロンは副腎皮質の球状層から分泌されるミネラルコルチコイドで、遠位尿細管・集合管に作用してNaと水の再吸収を促進し、K・H⁺を排泄します。分泌はレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAA系)で調節され、アンジオテンシンⅡによって分泌が促進されます。循環血液量と血圧の調節に中心的な役割を果たし、原発性アルドステロン症は二次性高血圧の代表疾患です。ACE阻害薬・ARB・アルドステロン拮抗薬などはこの系を標的とした降圧薬で、腎臓・内分泌・循環の三者を統合的に理解することが看護実践に直結します。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:アルドステロンで正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。アルドステロンは副腎皮質(球状層)から分泌されるミネラルコルチコイドで、腎臓の遠位尿細管・集合管に作用し、Na⁺と水の再吸収を促進するとともに K⁺・H⁺を排泄し、循環血液量を増やして血圧を上昇させます。

選択肢考察

  1. × 1.  近位尿細管に作用する。

    アルドステロンの主な作用部位は遠位尿細管・集合管。近位尿細管では糸球体で濾過されたNa・水・ブドウ糖などの大部分が再吸収されるが、ここはアルドステロンの主作用部位ではない。

  2. × 2.  副腎髄質から分泌される。

    副腎髄質から分泌されるのはアドレナリン・ノルアドレナリンなどのカテコールアミン。アルドステロンは副腎皮質の球状層から分泌される。

  3. 3.  ナトリウムの再吸収を促進する。

    遠位尿細管・集合管の主細胞に作用してNa⁺再吸収と水の貯留を促進し、K⁺・H⁺を尿中に排泄する。結果として循環血液量増加・血圧上昇を来す。

  4. × 4.  アンジオテンシンⅠによって分泌が促進される。

    アルドステロン分泌を促進するのはアンジオテンシンⅡ。アンジオテンシンⅠは肺のアンジオテンシン変換酵素(ACE)によってⅡに変換されて作用する。

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAA系)の流れは、①血圧低下・Na低下で腎傍糸球体装置からレニン分泌→②肝臓のアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンⅠに変換→③肺のACEでⅡに変換→④アンジオテンシンⅡが血管収縮+副腎皮質に作用しアルドステロン分泌→⑤Na・水貯留で血圧上昇。高血圧治療薬のACE阻害薬・ARB・アルドステロン拮抗薬(スピロノラクトンなど)はこの系を標的とする。原発性アルドステロン症は二次性高血圧の代表で、低K血症・高血圧・代謝性アルカローシスを呈する。

RAA系におけるアルドステロンの分泌元・作用部位・生理作用・調節機構を正確に区別できるかを問う内分泌の基本問題。