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更年期障害の原因をどう説明する?

看護師国家試験 第104回 午前 第106問 / 母性看護学 / 女性のライフサイクル各期の看護

国試問題にチャレンジ

104回 午前 第106問

次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(48歳、専業主婦)は、夫と2人で暮らしている。月経周期が35〜60日と不規則となり、外来を受診した。診察時、Aさんは「一人娘が結婚して遠方に住み、私の体調不良について話しにくく、つらいです。夫とは以前はよく一緒に出かけましたが、今は仕事で忙しく、私は家にいることが多いです」と話した。 医師は更年期障害(climacteric disorder)と診断した。診察後、Aさんは「どうしてこのような症状が出るのかしら」と看護師に尋ねた。Aさんへの説明で適切なのはどれか。

  1. 1.「子宮が固くなったためです」
  2. 2.「卵管が狭くなったためです」
  3. 3.「卵巣の機能が低下したためです」
  4. 4.「視床下部の機能が低下したためです」

対話形式の解説

博士 博士

Aさんは48歳、月経周期が乱れて更年期障害と診断されたんじゃ。原因を聞かれた看護師の答えを考えるぞ。

アユム アユム

更年期障害ってホルモンが関係するんですよね。

博士 博士

そうじゃ。中心はエストロゲンの分泌低下じゃ。

アユム アユム

それを分泌する場所ってどこでしたっけ。

博士 博士

卵巣じゃ。加齢とともに卵巣の卵胞数が減り、エストロゲンが急激に低下していく。

アユム アユム

じゃあ3の卵巣機能低下が正解ですね。

博士 博士

うむ。子宮の硬さや卵管の狭さは更年期の本態には関係ない。

アユム アユム

4の視床下部の機能低下はどうでしょう?

博士 博士

むしろ逆じゃ。エストロゲンが下がると、視床下部はGnRHを過剰に出して下垂体を刺激し、FSHが上昇する。

アユム アユム

だから採血でFSH高値・エストラジオール低値が診断の目安になるんですね。

博士 博士

ようできた。症状はホットフラッシュや発汗、動悸といった自律神経症状から、抑うつや不眠まで多彩じゃ。

アユム アユム

Aさんはお嬢さんが遠方で、ご主人もお仕事で忙しいんですよね。

博士 博士

心理社会的要因も増悪因子になるから、患者背景を踏まえた支援が大切なんじゃよ。

アユム アユム

ホルモン補充療法や漢方も治療選択肢にありましたね。

博士 博士

個別の症状や希望に合わせて選ぶんじゃ。

POINT

更年期障害の中心病態は卵巣機能低下に伴うエストロゲン分泌の急激な減少です。これに対し視床下部・下垂体系は代償的に亢進し、自律神経・精神・身体症状が出現します。子宮や卵管の構造変化、視床下部機能低下は誤りで、患者には卵巣機能の低下が原因であることを丁寧に説明することが適切です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(48歳、専業主婦)は、夫と2人で暮らしている。月経周期が35〜60日と不規則となり、外来を受診した。診察時、Aさんは「一人娘が結婚して遠方に住み、私の体調不良について話しにくく、つらいです。夫とは以前はよく一緒に出かけましたが、今は仕事で忙しく、私は家にいることが多いです」と話した。 医師は更年期障害(climacteric disorder)と診断した。診察後、Aさんは「どうしてこのような症状が出るのかしら」と看護師に尋ねた。Aさんへの説明で適切なのはどれか。

解説:正解は3です。更年期障害は加齢に伴う卵巣機能の低下によりエストロゲン分泌が急激に減少し、視床下部・下垂体系のフィードバック機構が乱れることで自律神経や精神症状が出現する病態です。原因の説明としては「卵巣の機能が低下したためです」が最も適切です。

選択肢考察

  1. × 1.  「子宮が固くなったためです」

    子宮の硬度変化は更年期障害の本態とは関係ありません。子宮筋層は本来弾性のある平滑筋組織です。

  2. × 2.  「卵管が狭くなったためです」

    卵管の狭窄は不妊や子宮外妊娠の原因にはなりますが、更年期障害の症状を引き起こす機序ではありません。

  3. 3.  「卵巣の機能が低下したためです」

    卵巣機能低下によるエストロゲン減少が、視床下部・下垂体系の反応を介して諸症状を引き起こす中心的機序です。

  4. × 4.  「視床下部の機能が低下したためです」

    視床下部はエストロゲン低下に応答してむしろ機能亢進し、ゴナドトロピン放出ホルモンを過剰分泌します。低下ではありません。

更年期は閉経前後の約10年間(日本人女性の平均閉経年齢は約50歳)を指します。エストロゲン低下に対し下垂体からFSHが代償的に上昇するため、血中FSH高値・エストラジオール低値が診断の目安となります。症状はホットフラッシュ・発汗・動悸などの血管運動神経症状、抑うつ・不眠などの精神症状、骨粗鬆症・脂質異常症などの長期的影響と多岐にわたります。

更年期障害の発症機序の中心が卵巣機能低下にあることを患者に説明できるかを問う問題です。