避妊法の選び方ガイド ピル・コンドーム・IUD・基礎体温法を徹底比較
看護師国家試験 第106回 午後 第52問 / 母性看護学 / 女性のライフサイクル各期の看護
国試問題にチャレンジ
成熟期女性の受胎調節について適切なのはどれか。
- 1.経口避妊薬は女性が主導で使用できる。
- 2.コンドーム法の避妊効果は99%以上である。
- 3.基礎体温法は月経が不順な女性に有用である。
- 4.子宮内避妊器具〈IUD〉は経産婦より未産婦に挿入しやすい。
対話形式の解説
博士
今回は受胎調節、つまり避妊法についてじゃ。国試でも実務でも重要なテーマじゃぞ。
アユム
避妊法ってたくさんありますよね。何を基準に選ぶんですか?
博士
ポイントは3つ。1つ目は避妊効果の高さ、2つ目は誰が主導するか、3つ目は性感染症の予防効果じゃ。
アユム
じゃあ選択肢1の「経口避妊薬は女性が主導で使用できる」はどうですか?
博士
これが正解じゃ。ピルは女性自身が毎日決まった時間に服用するもので、男性の協力は不要。排卵を抑制して妊娠を防ぐ仕組みじゃ。
アユム
ピルの避妊効果はどれくらいあるんですか?
博士
正しく服用すればパール指数で0.3程度、つまり1年間使って1000人に3人ほどしか妊娠せん。非常に高い避妊効果じゃ。
アユム
コンドームは99%以上って書いてありますけど、本当にそんなに効くんですか?
博士
それが選択肢2のひっかけじゃ。コンドームの一般的使用では失敗率が年13〜15%もある。破損や装着ミスが多いためじゃな。
アユム
でもコンドームには性感染症予防という大事な役割がありますよね。
博士
その通り!避妊効果だけで見るとピルやIUDに劣るが、HIVやクラミジアなどを防ぐには必須のアイテムじゃ。
アユム
基礎体温法は月経不順の人に有用って書いてありますけど…
博士
これも逆じゃ。基礎体温は排卵後にプロゲステロンで高温期になる「二相性」を利用して排卵日を推定する方法。月経不順では排卵自体が不定期で、二相性もはっきりせず当てにならん。
アユム
そもそも基礎体温法だけじゃ、排卵日を避けきれないですよね。
博士
うむ、精子は3日近く生きておるし、排卵日がずれると一気に失敗する。避妊法としての信頼性は低く、妊娠希望時のタイミング法として使う方が現実的じゃ。
アユム
IUDは未産婦に挿入しやすいって本当ですか?
博士
逆じゃよ。未産婦は子宮頸管が狭くて硬いため挿入時に痛みが強く、脱出リスクも高い。経産婦のほうが挿入しやすい。ただし近年は細型のIUSも出て、未産婦にも使えるようになってきたぞ。
アユム
IUSってIUDと何が違うんですか?
博士
IUSは黄体ホルモンを徐放するタイプの子宮内装置で、過多月経の治療にも保険適用がある。避妊+治療の意味を持つ優れモノじゃ。
アユム
避妊法は目的に応じて使い分けが大事なんですね。
POINT
受胎調節(避妊)には複数の方法があり、それぞれに長所・短所があります。経口避妊薬は女性が主導で使用でき、正しく服用すれば避妊効果が高いうえ、月経困難症や月経前症候群の改善など副次的メリットもあります。コンドームは避妊効果ではピルに劣るものの、性感染症予防の観点から必須の方法です。基礎体温法は月経不順の女性には不向きで、IUDは伝統的に経産婦向けの方法とされます。看護師は対象者のライフスタイル・パートナーとの関係・健康状態を踏まえ、適切な避妊法選択を支援する役割があり、プレコンセプションケアの重要な一部です。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:成熟期女性の受胎調節について適切なのはどれか。
解説:正解は 1 です。経口避妊薬(低用量ピル、OC)は女性自身が服用によって排卵を抑制する避妊法であり、男性パートナーの協力を必要とせず女性主導で使用できる点が大きな特徴です。正しく内服した場合の避妊効果は極めて高く(パール指数約0.3)、月経周期の調節や月経困難症・月経前症候群の改善など副次的効果もあります。
選択肢考察
-
○ 1. 経口避妊薬は女性が主導で使用できる。
経口避妊薬は女性自身が服用する避妊法で、男性の協力を必要としない。卵巣からの排卵抑制と子宮内膜・頸管粘液への作用により高い避妊効果が得られる。
-
× 2. コンドーム法の避妊効果は99%以上である。
コンドームの一般的使用での失敗率は年間約13〜15%と言われ、完璧な使用でも2%程度。99%以上の避妊効果ではなく、性感染症予防との併用で意義が大きい方法。
-
× 3. 基礎体温法は月経が不順な女性に有用である。
基礎体温法は低温相と高温相の二相性から排卵日を推定するが、月経不順では排卵時期が一定せず二相性も不明瞭になりやすい。月経不順の女性には不向きで、単独での避妊法としては信頼性が低い。
-
× 4. 子宮内避妊器具〈IUD〉は経産婦より未産婦に挿入しやすい。
未産婦は子宮頸管が細く硬いため挿入時の疼痛や困難を伴いやすい。経産婦のほうが頸管が開大しており挿入が容易とされてきた。近年は細型IUDも登場しているが、伝統的には経産婦向けの避妊法。
避妊法には大きく分けて、女性主導(ピル、IUD、女性用コンドーム)、男性主導(コンドーム、パイプカット)、両者協力(基礎体温法、リズム法)がある。避妊効果の高さは、不妊手術>IUS/IUD>ピル>コンドーム>基礎体温法の順。ピル服用中は血栓症のリスクがあるため、40歳以上、重度喫煙者、高血圧、片頭痛(前兆あり)などは禁忌または慎重投与となる。緊急避妊薬(アフターピル)は性交後72時間以内に服用することで妊娠を防ぐ手段として有用。
各避妊法の特徴、避妊効果、適応・禁忌を問う問題。「女性主導」の代表がピル、性感染症予防はコンドーム、長期的な避妊はIUD/IUSという役割の違いを理解する。
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