二次性高血圧の主役アルドステロン!原発性アルドステロン症とは
看護師国家試験 第109回 午後 第29問 / 疾病の成り立ちと回復の促進 / 基本的な病因
国試問題にチャレンジ
二次性高血圧症( secondary hypertension )の原因となるホルモンはどれか。
- 1.アルドステロン
- 2.ソマトスタチン
- 3.グルカゴン
- 4.メラトニン
対話形式の解説
博士
今日は二次性高血圧の原因ホルモンの問題じゃ。
サクラ
高血圧って全部同じじゃないんですか?
博士
大きく2つに分かれる。本態性高血圧は原因が特定できないもので全体の約90%、二次性高血圧は原因疾患があるもので約10%じゃ。
サクラ
二次性高血圧の原因は何ですか?
博士
内分泌性、腎性、血管性、薬剤性などがある。その中でも最多の内分泌原因が原発性アルドステロン症じゃ。
サクラ
アルドステロンはどんな働きをするんですか?
博士
副腎皮質球状層から分泌される鉱質コルチコイドじゃ。腎集合管でNaと水を再吸収し、KとHを排泄する。つまり循環血液量を増やして血圧を上げる方向に働く。
サクラ
過剰になると低カリウム血症になるんですね。
博士
その通り。高血圧と低K血症、代謝性アルカローシスを3本柱として疑うのじゃ。ただし低K血症は全例ではないため注意じゃ。
サクラ
診断はどうするんですか?
博士
まず血漿アルドステロン濃度/レニン活性比(ARR)を測定するスクリーニング。高ければ負荷試験で確定し、副腎静脈サンプリングで片側か両側かを診断する。
サクラ
治療は手術ですか?
博士
片側性腺腫であれば腹腔鏡下副腎摘除で根治が期待できる。両側過形成ならスピロノラクトンやエプレレノンというMR拮抗薬で薬物治療する。
サクラ
他の選択肢のホルモンは何をしているんですか?
博士
ソマトスタチンは消化管ホルモンの分泌抑制、グルカゴンは血糖上昇、メラトニンは睡眠リズム調整。いずれも血圧上昇の直接原因にはならん。
サクラ
褐色細胞腫も二次性高血圧でしたね。
博士
うむ。副腎髄質の腫瘍でカテコールアミンを過剰分泌し、発作的な高血圧、動悸、頭痛、発汗を起こす。頻度は低いが見逃せん疾患じゃ。
サクラ
Cushing症候群はコルチゾール過剰でしたっけ?
博士
そうじゃ。中心性肥満、満月様顔貌、皮膚線条、筋力低下、高血糖、高血圧がセット。内分泌性高血圧はそれぞれ特徴的な随伴症状があるのじゃ。
サクラ
二次性高血圧を見抜くには、「治療抵抗性」「若年発症」「特徴的所見」がキーワードですね。
POINT
二次性高血圧の原因ホルモンとして最も重要なのはアルドステロンで、副腎皮質球状層から過剰分泌される原発性アルドステロン症は二次性高血圧の最多原因です。アルドステロンは腎でNaと水の再吸収を促して循環血液量を増加させ、血圧を上昇させます。低K血症と代謝性アルカローシスを伴うことが診断の手がかりで、ARRスクリーニングと副腎静脈サンプリングで確定診断し、副腎摘除またはMR拮抗薬で治療します。治療抵抗性・若年発症・低K血症を伴う高血圧では積極的に二次性を疑うことが、適切な治療と合併症予防につながります。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:二次性高血圧症( secondary hypertension )の原因となるホルモンはどれか。
解説:正解は 1 のアルドステロンです。高血圧症の約90%は原因が特定できない本態性高血圧ですが、残り約10%は明確な原因疾患による二次性高血圧で、その最多原因が副腎皮質球状層からのアルドステロン過剰分泌による「原発性アルドステロン症」です。アルドステロンは腎集合管でNa+と水の再吸収を促進し、K+とH+を排泄するため、循環血漿量増加と血管抵抗上昇により血圧が上昇します。低カリウム血症や代謝性アルカローシスを伴うのが特徴です。
選択肢考察
-
○ 1. アルドステロン
副腎皮質球状層から分泌される鉱質コルチコイド。腎でNa・水を再吸収してKを排泄する。原発性アルドステロン症(Conn症候群)は二次性高血圧の最多原因で、低K血症と高血圧を呈する。
-
× 2. ソマトスタチン
視床下部、膵ランゲルハンス島δ細胞、消化管から分泌されるペプチドホルモン。成長ホルモン・インスリン・グルカゴン・ガストリンなどの分泌を抑制する。血圧には直接関与しない。
-
× 3. グルカゴン
膵ランゲルハンス島α細胞から分泌され、肝の糖新生とグリコーゲン分解を促進して血糖を上昇させる。血糖調節ホルモンで、血圧上昇の直接原因にはならない。
-
× 4. メラトニン
松果体から夜間に分泌され、概日リズムと睡眠導入を調節する。むしろ軽度に血圧を下げるとされ、高血圧の原因にはならない。
二次性高血圧の主な原因を整理する。(1)内分泌性:原発性アルドステロン症、褐色細胞腫(カテコールアミン過剰)、Cushing症候群(コルチゾール過剰)、甲状腺機能亢進・低下症、先端巨大症。(2)腎性:慢性腎臓病、腎血管性高血圧(腎動脈狭窄)。(3)血管性:大動脈縮窄症。(4)薬剤性:経口避妊薬、NSAIDs、甘草(偽アルドステロン症)。(5)睡眠時無呼吸症候群。原発性アルドステロン症は従来考えられていたより頻度が高く、高血圧患者の5〜10%を占めるとされ、血漿アルドステロン濃度/レニン活性比(ARR)が診断の第一歩。副腎静脈サンプリングで局在診断し、片側病変ならば副腎摘除、両側ならばスピロノラクトン等のMR拮抗薬で治療する。若年発症、治療抵抗性、低K血症を伴う高血圧では積極的に疑う。
二次性高血圧の最多内分泌原因であるアルドステロンを同定できるか。他の候補ホルモン(血糖系・睡眠系)との区別が出題の核。
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