リエゾン精神看護とリラクセーション
看護師国家試験 第103回 午前 第113問(状況設定問題)
国試問題にチャレンジ
状況設定
Aさん(35歳、女性)は、右肋骨の骨折で2日前に整形外科病棟に入院した。上半身に多数の内出血のあとがあり、受け持ち看護師がAさんに話を聞いた。Aさんは、夫は機嫌が悪いと暴力を振るい、時には投げ飛ばすこともあり、今回も夫に殴られて骨折したと話した。Aさんは、毎日面会に来る夫に非常におびえており「今話したことは夫には絶対に言わないでほしい。骨折の処置だけしてください」と言う。Aさんは専業主婦で夫と2人で暮らしており、近くに親類や知り合いはいない。
Aさんには、不眠や急におびえたように震え出す様子がみられた。鎮痛薬を増量したが、骨折による痛みは全く軽減していない。睡眠薬も開始したが、不眠も改善していない。受け持ち看護師はどのように対応したらよいか分からず、リエゾン精神看護を専門とする看護師に相談した。 リエゾン精神看護を専門とする看護師の介入として適切なのはどれか。
- 1.Aさんと夫が話し合う場を設定する。
- 2.精神科病棟への転棟を看護師長に指示する。
- 3.リラクセーション法による介入を受け持ち看護師と計画する。
- 4.睡眠薬の増量を主治医と相談するよう受け持ち看護師に伝える。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
DV被害者の急性ストレス反応に対し、リエゾン精神看護専門看護師の役割と非薬物的介入の優先性を問う問題です。
解答・解説
正解は3です
問題文:Aさんには、不眠や急におびえたように震え出す様子がみられた。鎮痛薬を増量したが、骨折による痛みは全く軽減していない。睡眠薬も開始したが、不眠も改善していない。受け持ち看護師はどのように対応したらよいか分からず、リエゾン精神看護を専門とする看護師に相談した。 リエゾン精神看護を専門とする看護師の介入として適切なのはどれか。
解説:正解は 3 です。Aさんは持続するDVによる過覚醒状態にあり、急なおびえ・震え・不眠・身体症状の増悪は急性ストレス反応や心的外傷後ストレス障害の症状像と重なります。過覚醒状態では交感神経が優位となり、痛みの閾値が低下し鎮痛薬や睡眠薬の効果も得にくくなります。リエゾン精神看護専門看護師は、身体科で心理的問題を抱える患者をケアする専門家であり、漸進的筋弛緩法・呼吸法・自律訓練法などのリラクセーション法を病棟看護師と協働で計画し、患者の緊張緩和と安心感の回復を図る介入が適切です。
選択肢考察
- ×1. Aさんと夫が話し合う場を設定する。
加害者と被害者の対面はAさんに極度の恐怖を与え、症状を悪化させます。DV関係の解決は当事者間の話し合いでは図れず、第三者の介入と被害者の安全確保が前提です。
- ×2. 精神科病棟への転棟を看護師長に指示する。
肋骨骨折の身体治療が必要であり、また転棟自体がストレス反応を改善するわけではありません。リエゾン看護師の役割は身体科病棟で精神的ケアを支援することであり、安易な転棟指示は適切ではありません。
- ○3. リラクセーション法による介入を受け持ち看護師と計画する。
過覚醒・過緊張状態にある患者には、漸進的筋弛緩法や呼吸法などのリラクセーション法で交感神経の興奮を鎮め、痛みや不眠の改善を図ることが有効です。受け持ち看護師と協働で計画する介入はリエゾン看護師の役割に合致します。
- ×4. 睡眠薬の増量を主治医と相談するよう受け持ち看護師に伝える。
過緊張が背景にある不眠では薬剤を増量しても効果が乏しく、副作用の転倒・せん妄リスクが増します。まず非薬物的にストレス緩和を図ることが優先されます。
リエゾン精神看護専門看護師(CNS)は身体科に入院中の患者の精神的問題に対応する専門家で、急性ストレス反応・PTSD・せん妄・うつ・不安などに介入します。リラクセーション法には漸進的筋弛緩法、呼吸法、自律訓練法、イメージ法などがあります。覚え方は『過緊張にはまず弛緩、薬は次』。
DV被害者の急性ストレス反応に対し、リエゾン精神看護専門看護師の役割と非薬物的介入の優先性を問う問題です。
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