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転居したて初妊婦の『ママ友がほしい』に応える支援とは

看護師国家試験 第115午前110(状況設定問題)

国試問題にチャレンジ

115午前110

状況設定

Aさん(33歳、初妊婦、会社員)は夫と2人で暮らしている。身長160 cm、非妊時体重60 kg。妊娠17週1日の妊婦健康診査にて、児の発育に異常はなかった。体重は66 kgで4週間前から4 kg増加している。血圧120/78 mmHg、尿蛋白(−)、浮腫(−)。排便は妊娠前と変わらず2日に1回出ている。Aさんは「同じ週数の友達は胎動を感じると言っていたのに、自分は感じられず心配です」と話す。

妊娠22週2日。妊婦健康診査で母児ともに経過は順調であった。Aさんは夫の立ち会い分娩を希望しており「産後は夫も育児休業を取得する予定です。最近この地域に引っ越してきたばかりで、今のうちに妊娠週数が同じくらいのお母さんと仲良くなって色々と情報交換したいです」と話す。 このときのAさんへの支援で最も適切なのはどれか。

  1. 1.両親学級への参加を促す。
  2. 2.バースプランの立案を勧める。
  3. 3.産後ケアに関する情報提供を行う。
  4. 4.妊婦健康診査への夫の同席を勧める。

対話形式の解説

博士博士
今日は妊娠22週のAさんへの支援を考えるのじゃ。Aさんは何を望んでおるかの?
サクラサクラ
『最近この地域に引っ越してきたばかりで、同じ妊娠週数のお母さんと仲良くなって情報交換したい』って話していますね。
博士博士
そうじゃ。看護師の支援は『本人のニーズに最も合う資源につなぐ』が鉄則じゃ。選択肢を見てどう思う?
サクラサクラ
えーと、バースプランや産後ケアもいい支援な気がして迷います…。
博士博士
それぞれ意義はあるが、今のAさんの主訴は『仲間づくり』じゃ。そこに最も直接応える資源はどれかの?
サクラサクラ
あっ、両親学級ですね!同じ時期に出産する妊婦さんが集まる場だから、自然に知り合いができますね。
博士博士
その通りじゃ。正解は1番の『両親学級への参加を促す』じゃ。両親学級は知識習得と交流が同時に得られる絶好の場での。
サクラサクラ
夫も育児休業を取る予定だから、夫婦で参加すればパパ友もできそうですね。
博士博士
ようできた視点じゃ。2番のバースプランは出産準備に大切じゃが、個人の意思決定が中心で交流にはつながらん。
サクラサクラ
3番の産後ケア情報は、22週だとまだ時期が早いし、目的もズレますね。
博士博士
4番の健診同席も夫婦の絆を深めるが、地域の妊婦仲間との横のつながりにはならんの。
サクラサクラ
なるほど、Aさんが言葉にしたニーズに一番マッチするものを選ぶのが大事なんですね。
博士博士
そうじゃ。本人の言葉を丁寧に拾い、最適な資源につなぐのが地域母子保健の基本じゃぞ。

POINT

妊婦支援では本人の表出したニーズ(ここでは同週数の妊婦との交流・情報交換)に最も合致する社会資源を選択することが重要であり、両親学級は仲間づくりと出産準備教育を兼ねた最適な場である。

解答・解説

正解は1です

問題文:妊娠22週2日。妊婦健康診査で母児ともに経過は順調であった。Aさんは夫の立ち会い分娩を希望しており「産後は夫も育児休業を取得する予定です。最近この地域に引っ越してきたばかりで、今のうちに妊娠週数が同じくらいのお母さんと仲良くなって色々と情報交換したいです」と話す。 このときのAさんへの支援で最も適切なのはどれか。

解説:正解は1です。Aさんは「同じ妊娠週数の妊婦と交流し、情報交換したい」という具体的なニーズを表明しています。両親学級は同じ時期に出産を迎える妊婦・パートナーが集まり、出産・育児に関する知識を学びながら自然に交流が生まれる場であり、転居して周囲に知り合いの少ないAさんが仲間づくりをするうえで最も合致する社会資源です。さらに夫も育児休業を予定しているため、夫婦そろって参加すれば父親同士のつながりや産後の育児協力体制の構築にもつながります。

選択肢考察

  1. 1.  両親学級への参加を促す。

    両親学級は妊娠中期から後期にかけて市区町村や医療機関が開催する集団教育の場で、妊娠経過・分娩・育児について学べるだけでなく、同じ時期に出産を迎える妊婦同士・パートナー同士が顔を合わせて交流できる貴重な機会です。Aさんが望む『同じ週数のお母さんと仲良くなって情報交換したい』というニーズに直接合致し、夫の参加も得やすいため立ち会い分娩・育児休業に向けた準備にもつながります。

  2. ×2.  バースプランの立案を勧める。

    バースプランは妊婦自身が分娩・産褥の希望(呼吸法、立ち会い者、母児同室、母乳育児など)を医療者と共有するためのもので、出産準備として有用です。しかしAさんの今回の主訴は『同じ週数の妊婦との交流』であり、バースプランは個人内の意思決定支援が中心となるため、仲間づくりというニーズに対する直接の答えにはなりません。

  3. ×3.  産後ケアに関する情報提供を行う。

    産後ケア事業(宿泊型・デイサービス型・訪問型)は産褥早期の母児支援を目的としており、長期的には有用な情報です。ただし現時点(妊娠22週)でAさんが必要としているのは妊婦同士の交流の場であり、産後ケアの情報提供は時期・目的ともにニーズと一致しません。

  4. ×4.  妊婦健康診査への夫の同席を勧める。

    夫の妊婦健診同席は父親役割の獲得や夫婦の妊娠経過の共有という点で意義がありますが、Aさんが求めているのは『同じ週数のお母さん』との横のつながりです。健診同席は夫婦内の関係強化にはなっても、地域の妊婦仲間づくりの直接的支援にはなりません。

両親学級(母親学級・父親学級を含む)は母子保健法に基づき市区町村が実施するほか、医療機関や助産院でも開催されます。内容は妊娠中の生活、栄養、分娩経過、呼吸法、沐浴・授乳実習、産後の生活など多岐にわたり、グループワークや実技を通じて参加者同士の交流が生まれやすいのが特徴です。特に転居直後で地域に知人がいない妊婦、初産婦、夫の育児参加を期待するカップルにとっては、ピアサポートと知識習得を同時に得られる重要な場となります。看護師は妊婦の表出したニーズを丁寧にアセスメントし、本人の希望に最も合う社会資源につなぐことが求められます。

妊婦支援では本人の表出したニーズ(ここでは同週数の妊婦との交流・情報交換)に最も合致する社会資源を選択することが重要であり、両親学級は仲間づくりと出産準備教育を兼ねた最適な場である。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。