クリティカルシンキングは「否定」ではなく「根拠で吟味」する思考
看護師国家試験 第115回 午後 第33問
国試問題にチャレンジ
クリティカルシンキングの思考過程として適切なのはどれか。
- 1.患者の希望を受け入れる。
- 2.患者の言葉を否定的にとらえる。
- 3.患者の情報を根拠に基づいて解釈する。
- 4.患者の思いを看護師の看護観を基に分析する。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
クリティカルシンキングの本質を問う問題。語感から「批判的=否定する」と誤解しやすいが、正しくは「根拠に基づき情報を客観的に吟味・解釈する」思考過程である点を理解しているかが鍵となる。
解答・解説
正解は3です
問題文:クリティカルシンキングの思考過程として適切なのはどれか。
解説:正解は 3 です。クリティカルシンキング(critical thinking/批判的思考)とは、得られた情報をうのみにせず、客観的な根拠(エビデンス)に基づいて吟味・分析し、論理的に判断する思考プロセスを指す。看護実践では、患者から得られる主観的情報(訴え・思い)と客観的情報(バイタルサイン・検査値・観察所見など)を統合し、その意味するところを根拠に基づいて解釈することが看護過程の中核をなす。「患者の情報を根拠に基づいて解釈する」はまさにこの本質を表しており、適切な記述である。
選択肢考察
- ×1. 患者の希望を受け入れる。
患者の希望を尊重する姿勢は看護師として重要だが、希望を無条件に受け入れることはクリティカルシンキングではない。希望の背景や妥当性を根拠に基づき吟味した上で看護計画に反映させる必要がある。
- ×2. 患者の言葉を否定的にとらえる。
クリティカルシンキングの「クリティカル(critical)」は「批判的」と訳されるが、これは相手の発言を否定するという意味ではなく、根拠に照らして吟味するという意味である。患者の言葉を最初から否定的にとらえる態度は信頼関係を損ない、誤った判断を招く。
- ○3. 患者の情報を根拠に基づいて解釈する。
情報を客観的根拠に照らして分析・解釈することは、クリティカルシンキングの本質そのものである。看護過程のアセスメント段階で必要とされる中心的な思考過程であり、適切な看護判断につながる。
- ×4. 患者の思いを看護師の看護観を基に分析する。
看護師個人の価値観や看護観を分析の基準にすると主観的・偏った判断となり、客観性・論理性を欠く。クリティカルシンキングは個人の先入観を排し、根拠に基づいて思考することを求めている。
クリティカルシンキングは、米国の看護理論家らによって看護教育に導入された概念で、看護過程(アセスメント→看護診断→計画→実施→評価)の各段階に不可欠な思考スキルとされる。具体的には、(1)情報を多角的に収集する、(2)思い込みや前提を疑う、(3)根拠と結論のつながりを論理的に確認する、(4)複数の解釈を比較検討する、(5)自分の判断の妥当性を再評価する、といった要素から成り立つ。類似概念としてリフレクティブシンキング(省察的思考)やクリニカルリーズニング(臨床推論)があるが、いずれも「根拠に基づき自らの思考を吟味する」という点で共通している。EBN(Evidence-Based Nursing)の実践基盤としても重要である。
クリティカルシンキングの本質を問う問題。語感から「批判的=否定する」と誤解しやすいが、正しくは「根拠に基づき情報を客観的に吟味・解釈する」思考過程である点を理解しているかが鍵となる。
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