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マズローのピラミッド、第3段の正体

看護師国家試験 第115午前6 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午前6

マズロー、A. H.の基本的欲求の階層で、集団の一員でありたいという欲求はどれか。

  1. 1.安全の欲求
  2. 2.承認の欲求
  3. 3.自己実現の欲求
  4. 4.所属と愛の欲求

対話形式の解説

博士博士
今日はマズローの欲求階層について学ぼう。心理学者マズローは、人間の欲求を低い段階から高い段階へとピラミッド状に5つに整理したんだ。
サクラサクラ
ピラミッドって、よく図で見るやつですね。下から順に並んでいる…
博士博士
そう。下から、生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、そして頂点が自己実現の欲求だよ。
サクラサクラ
生理的欲求って、お腹がすいたとか眠いとかですか?
博士博士
その通り。呼吸、食事、睡眠、排泄など、生命維持に直結する欲求だ。次の安全の欲求は、危険から身を守りたい、安心して暮らしたいという気持ち。住まいや健康、経済的な安定もここに含まれるよ。
サクラサクラ
じゃあ「集団の一員でありたい」っていうのは、なんとなく承認の欲求かなって思ったんですけど…違うんですか?
博士博士
いい引っかかり方だね。多くの受験生が迷うところだよ。「認められたい」が承認の欲求、「仲間でいたい・つながっていたい」が所属と愛の欲求。微妙だけど明確に違うんだ。
サクラサクラ
なるほど。「入りたい」と「認められたい」は違うんですね。
博士博士
そう。たとえばクラスに転校してきたばかりの子が「みんなに入れてほしい」と思うのが所属と愛の欲求。クラスに馴染んだあと「リーダーとして頼られたい」と思うのが承認の欲求、というイメージだね。
サクラサクラ
わかりやすいです!じゃあ自己実現の欲求は?
博士博士
自分の能力を最大限発揮して、なりたい自分になりたいという最も高次の欲求だよ。「看護師として一流になりたい」「絵で世界を変えたい」みたいな志向だね。
サクラサクラ
ということは、今回の問題で「集団の一員でありたい」は4番の所属と愛の欲求が正解ですね。
博士博士
その通り。1の安全は身の安全、2の承認は評価されたい、3の自己実現は能力発揮、4の所属と愛が帰属の欲求。だから正解は4だ。
サクラサクラ
ピラミッドの順番、ちゃんと覚えておきます!
博士博士
看護では、災害時や急性期にはまず生理的・安全の欲求を満たすケアを優先する、というように、この階層を実践のアセスメントに使うんだ。
サクラサクラ
知識だけじゃなく、看護にもつながるんですね。
博士博士
最後に補足だ。晩年のマズローは5段階の上に「自己超越」を置く6段階説も提唱した。国試では基本の5段階で十分だけど、覚えておくと一段深い理解になるよ。

POINT

マズローの欲求階層の5段階それぞれの内容を整理し、「集団への帰属」が第3段階の所属と愛の欲求にあたることを判断できるかを問う基本問題です。

解答・解説

正解は4です

問題文:マズロー、A. H.の基本的欲求の階層で、集団の一員でありたいという欲求はどれか。

解説:正解は4の「所属と愛の欲求」です。アメリカの心理学者アブラハム・マズロー(Abraham H. Maslow)は、人間の動機づけを5段階の階層構造として説明しました。低次から順に、(1)生理的欲求(食欲・睡眠・呼吸など生命維持の欲求)、(2)安全の欲求(身の安全・健康・経済的安定)、(3)所属と愛の欲求(家族・友人・集団に受け入れられ愛されたい欲求)、(4)承認(自尊)の欲求(他者から認められたい・自信を持ちたい)、(5)自己実現の欲求(自分の可能性を最大限に発揮したい)と並びます。設問の「集団の一員でありたい」「仲間に受け入れられたい」という願いは、人とのつながりや帰属意識を求める欲求であり、第3段階の所属と愛の欲求(belongingness and love needs)にあたります。マズローの理論では、原則として低次の欲求がある程度満たされてから、次の高次欲求が現れるとされ、看護では患者の状態に応じてどの段階の欲求が脅かされているかをアセスメントすることが基本となります。

選択肢考察

  1. ×1.  安全の欲求

    安全の欲求は第2段階で、身体的・精神的・経済的な安定を求める欲求です。住居の確保、健康の維持、暴力や災害からの保護、雇用の安定などが含まれます。「集団の一員でありたい」という対人関係上の欲求とは異なります。

  2. ×2.  承認の欲求

    承認(自尊)の欲求は第4段階で、他者から尊重・評価されたい、自分自身を価値ある存在と感じたいという欲求です。所属が満たされた後に強くなる欲求であり、「仲間に入りたい」段階よりも一段上の欲求にあたります。

  3. ×3.  自己実現の欲求

    自己実現の欲求はマズローの階層で最も高次の第5段階に位置し、自分の能力や才能を最大限に発揮し、なりたい自分を追求する欲求です。集団への帰属を求める段階とは性質が大きく異なります。

  4. 4.  所属と愛の欲求

    所属と愛の欲求は第3段階で、家族・友人・職場・コミュニティといった集団に受け入れられ、愛情ある人間関係を築きたいという欲求です。「集団の一員でありたい」という気持ちはまさにこの段階に該当し、本問の正解となります。

マズローの欲求階層は、生理的→安全→所属と愛→承認→自己実現の順にピラミッド状で覚えるのが基本です。晩年のマズローは最上位に「自己超越の欲求」を加えた6段階説も提唱しています。看護領域では、ヘンダーソンの14の基本的ニードやニーズ論的アプローチと並んで、患者アセスメントの基礎枠組みとして頻出します。災害看護や慢性期看護では、まず生理的欲求と安全の欲求が脅かされていないかを確認し、その上で所属・承認・自己実現といった高次の欲求への支援を段階的に進めるのが原則です。

マズローの欲求階層の5段階それぞれの内容を整理し、「集団への帰属」が第3段階の所属と愛の欲求にあたることを判断できるかを問う基本問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。