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染色体番号で覚える!Down症候群と仲間たちのトリソミー

看護師国家試験 第115午前7 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午前7

Down(ダウン)症候群の原因となるのはどれか。

  1. 1.5番染色体
  2. 2.13番染色体
  3. 3.18番染色体
  4. 4.21番染色体

対話形式の解説

博士博士
今日はDown症候群について勉強するぞ。まず質問だが、Down症候群の原因はどの染色体か知っておるかな?
サクラサクラ
えーっと…名前は聞いたことあるんですけど、何番だったかな…18番ですか?
博士博士
惜しい、それはEdwards症候群じゃ。正解は21番染色体じゃよ。21番染色体が通常2本のところ3本になる『21トリソミー』が原因なんじゃ。
サクラサクラ
トリソミーって何ですか?
博士博士
いい質問じゃ。『トリ』は3、『ソミー』は染色体の意味で、つまり同じ染色体が3本ある状態を指すんじゃ。普通はペアで2本ずつあるところが、減数分裂のときに分かれそこなって1本多くなってしまうんじゃな。
サクラサクラ
なるほど!じゃあ他の番号でもトリソミーってあるんですか?
博士博士
あるぞ。国試で覚えるべき常染色体トリソミーは3つ。13トリソミー(Patau症候群)、18トリソミー(Edwards症候群)、そして21トリソミー(Down症候群)じゃ。語呂で『いさんパ(13=Patau)、いやEdwards(18=Edwards)、にいさんダウン(21=Down)』なんて覚え方もあるぞ。
サクラサクラ
わー、3つセットで覚えればいいんですね。じゃあ5番染色体は?
博士博士
5番染色体の異常で有名なのは『猫鳴き症候群(Cri du chat症候群)』じゃ。5番染色体の短腕の一部が欠失することで起こり、赤ちゃんの泣き声が子猫のように甲高いのが特徴なんじゃ。これはトリソミーではなく『欠失』が原因という違いも押さえておこう。
サクラサクラ
同じ染色体異常でも、増えたり欠けたりするんですね。
博士博士
その通り。さらに重要なのは、Down症候群は母体年齢が上がるほど発生率が高くなるという点じゃ。20代前半なら約1/1500だが、40歳では約1/100にまで増えるとされておる。
サクラサクラ
え、そんなに違うんですか!どうしてですか?
博士博士
卵子は胎児期にすでに作られて、排卵まで長く待機しておる。年齢が上がると卵子も古くなり、減数分裂時の染色体分配ミスが起きやすくなるんじゃ。だから高齢妊娠ではNIPT(新型出生前診断)などの出生前検査が選択肢にあがるんじゃよ。
サクラサクラ
臨床的にはどんな特徴がありますか?
博士博士
特徴的顔貌(つり上がった目、平坦な顔、巨舌)、筋緊張低下、知的発達遅滞が三本柱。それに加えて約半数に先天性心疾患、特に『心内膜床欠損症(房室中隔欠損)』を合併する。十二指腸閉鎖や急性白血病のリスクも高いため、出生後の全身評価が重要じゃ。
サクラサクラ
染色体だけじゃなく、合併症までしっかり覚える必要があるんですね!
博士博士
そうじゃ。看護師としては、Down症候群の児を持つ家族への心理的支援、発達支援、合併症のモニタリング、これらすべてが大切な役割になるんじゃよ。

POINT

Down症候群の原因染色体が21番染色体(21トリソミー)であることを理解しているかを問う基礎的な遺伝学の問題。あわせて13・18トリソミーとの組み合わせを整理しておく。

解答・解説

正解は4です

問題文:Down(ダウン)症候群の原因となるのはどれか。

解説:正解は4の「21番染色体」です。Down症候群(ダウン症候群)は、本来2本ペアであるべき21番染色体が3本存在する『21トリソミー(trisomy 21)』を原因とする先天性疾患です。1866年にイギリスの医師John Langdon Downが症候群として報告し、1959年にLejeuneらが21番染色体の過剰を遺伝学的に証明しました。発生機序の約95%は減数分裂時の不分離(nondisjunction)による標準型21トリソミーで、約4%が転座型(特にロバートソン転座)、約1%がモザイク型です。出生頻度はおよそ1/600〜1/1,000で、母体年齢の上昇とともに発生率が上がることが知られています(35歳で約1/350、40歳で約1/100程度)。臨床像としては、特徴的顔貌(眼瞼裂斜上、内眼角贅皮、低い鼻根、平坦な後頭部、巨舌など)、筋緊張低下、知的発達遅滞、約40〜50%に合併する先天性心疾患(とくに心内膜床欠損症/房室中隔欠損)、十二指腸閉鎖、白血病リスクの上昇、早発性アルツハイマー病の合併などがあげられます。

選択肢考察

  1. ×1.  5番染色体

    誤りです。5番染色体の代表的な異常は短腕欠失(5p−)による『猫鳴き症候群(Cri du chat症候群)』で、子猫の鳴き声に似た甲高い泣き声、小頭症、特徴的顔貌、重度の知的障害を呈します。Down症候群の原因染色体ではありません。

  2. ×2.  13番染色体

    誤りです。13番染色体が3本となる『13トリソミー』はPatau(パトー)症候群と呼ばれ、口唇口蓋裂、多指症、全前脳胞症、重度の中枢神経奇形を伴い、生命予後は極めて不良で1歳までの死亡率が90%以上とされます。Down症候群とは別疾患です。

  3. ×3.  18番染色体

    誤りです。18番染色体が3本となる『18トリソミー』はEdwards(エドワーズ)症候群と呼ばれ、低出生体重、特徴的な握り拳(第2・5指が第3・4指に重なる)、揺り椅子状の足底(rocker-bottom foot)、重度の心奇形を伴い、生命予後は不良です。Down症候群の原因ではありません。

  4. 4.  21番染色体

    正解です。21番染色体が1本過剰(3本)となる『21トリソミー』がDown症候群の原因です。常染色体トリソミーの中では発生頻度が最も高く、出生児にも比較的多くみられます。診断は染色体検査(核型分析)で確定し、出生前診断としてはNIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)、母体血清マーカー、絨毛採取、羊水検査などが用いられます。

国家試験で頻出の常染色体トリソミーは『13・18・21』の3つで、覚え方は『13=Patau(パトー)、18=Edwards(エドワーズ)、21=Down(ダウン)』。番号が大きいほど(=染色体が小さいほど)遺伝子量の過剰が少なく、生命予後が良い傾向にあり、Down症候群は成人まで生存可能なケースが多い一方、13・18トリソミーは生命予後が厳しいのが特徴です。また性染色体異常として、Turner症候群(45,X)、Klinefelter症候群(47,XXY)も国試頻出。Down症候群では先天性心疾患(特に心内膜床欠損)、消化管奇形(十二指腸閉鎖、Hirschsprung病)、白血病、甲状腺機能異常、頸椎不安定性などへの注意が必要です。

Down症候群の原因染色体が21番染色体(21トリソミー)であることを理解しているかを問う基礎的な遺伝学の問題。あわせて13・18トリソミーとの組み合わせを整理しておく。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。