急性髄膜炎患者、暗い部屋が正解の理由は?
看護師国家試験 第113回 午後 第46問 / 成人看護学 / 脳・神経系
国試問題にチャレンジ
急性髄膜炎(acute meningitis)患者への対応で正しいのはどれか。
- 1.鎮痛薬は禁忌である。
- 2.頭部に温罨法を行う。
- 3.部屋の照明を暗くする。
- 4.腰椎穿刺直後は頭部を高くする。
対話形式の解説
博士
最後は急性髄膜炎のケア問題じゃ。
アユム
髄膜炎の主な症状は何でしたっけ?
博士
髄膜刺激症状として項部硬直、ケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候。加えて激しい頭痛、発熱、嘔吐、羞明じゃ。
アユム
羞明というのは光に過敏になることですね。
博士
さよう。だから部屋の照明を暗くするのが基本ケアになる。
アユム
選択肢3が正解ですね。
博士
選択肢1の『鎮痛薬禁忌』はどうじゃ?
アユム
激しい頭痛があるのですから、鎮痛薬は使うべきですね。禁忌ではありません。
博士
その通り、アセトアミノフェンやNSAIDsで苦痛を和らげる。
アユム
頭部に温罨法はどうでしょう?
博士
温罨法は脳血流を増加させて頭蓋内圧を上げる可能性がある。冷罨法や氷枕の方が適切じゃ。
アユム
腰椎穿刺後の頭部挙上は?
博士
これは低髄圧性頭痛を引き起こすからNGじゃ。穿刺後は水平仰臥位または軽度頭低位で1〜2時間安静じゃな。
アユム
環境調整と体位管理が大事なんですね。
博士
音刺激も減らすのじゃ。ICU並みの機器音も避けて、静かで暗い落ち着いた環境を作る。
アユム
抗菌薬・抗ウイルス薬の投与も忘れてはいけませんね。
博士
細菌性髄膜炎では早期の抗菌薬投与が予後を左右する。
アユム
頭蓋内圧亢進の徴候、クッシング三徴もチェックですね。
博士
血圧上昇・徐脈・呼吸不整の組み合わせじゃ。観察の視点を持つのじゃぞ。
アユム
看護の柱は『安静・暗所・冷罨法・刺激制限+薬物療法』ですね。
POINT
急性髄膜炎の看護は髄膜刺激症状と頭蓋内圧亢進症状への対応が基本です。羞明に対する部屋の暗室化、冷罨法による頭部冷却、静かな環境、体位の安静保持が柱となります。腰椎穿刺後は水平仰臥位または軽度頭低位で低髄圧性頭痛を予防し、鎮痛薬は適切に使用します。細菌性髄膜炎では迅速な抗菌薬投与とクッシング三徴など頭蓋内圧亢進徴候の観察が予後を左右します。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:急性髄膜炎(acute meningitis)患者への対応で正しいのはどれか。
解説:正解は3です。急性髄膜炎では頭蓋内圧亢進と髄膜刺激症状のため光過敏(羞明)が強く現れるため、部屋の照明を暗くし静かで刺激の少ない環境を整えることが安楽ケアの基本となります。
選択肢考察
-
× 1. 鎮痛薬は禁忌である。
髄膜炎では激しい頭痛が主症状のため、アセトアミノフェンやNSAIDsなどの鎮痛薬は禁忌ではなく、むしろ症状緩和のために適切に使用します。原因治療(抗菌薬・抗ウイルス薬)と並行して苦痛緩和を図ることが重要です。
-
× 2. 頭部に温罨法を行う。
温罨法は脳血流を増加させ頭蓋内圧をさらに上昇させる可能性があるため避けます。発熱と頭痛に対しては氷枕や冷罨法による頭部冷却、室温調整で安楽を図るのが一般的です。
-
○ 3. 部屋の照明を暗くする。
髄膜刺激症状の一つとして羞明(光過敏)があり、光刺激が頭痛や不快感を増強します。部屋の照明を落とし、音刺激も最小限に抑えた静かで落ち着いた環境を整えることが、頭蓋内圧亢進症状の軽減と安楽に役立ちます。
-
× 4. 腰椎穿刺直後は頭部を高くする。
腰椎穿刺後は穿刺部からの髄液漏出による低髄圧性頭痛を予防するため、通常1〜2時間は水平仰臥位または軽度頭低位で安静とします。頭部を高くすると髄液圧が低下し頭痛を助長するため不適切です。
髄膜刺激症状の三徴は『項部硬直・ケルニッヒ徴候・ブルジンスキー徴候』です。頭蓋内圧亢進症状としては頭痛・嘔吐・うっ血乳頭のクッシング三徴(血圧上昇・徐脈・呼吸不整)にも注意が必要です。看護は『安静・暗所・冷罨法・刺激制限』と『抗菌薬・抗ウイルス薬の確実な投与』が柱となり、細菌性髄膜炎では発症早期から標的臓器障害が進むため迅速な診断と治療開始が予後を左右します。
急性髄膜炎の髄膜刺激症状と頭蓋内圧亢進症状に対する看護ケア、特に環境調整と腰椎穿刺後の体位を問う問題です。
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