急性胆管炎とCharcot3徴
看護師国家試験 第111回 午前 第87問 / 成人看護学 / 消化器・栄養代謝系
国試問題にチャレンジ
急性胆管炎(acute cholangitis)の代表的な3症状を示すCharcot〈シャルコー〉3徴に含まれるのはどれか。2つ選べ。
- 1.黄疸
- 2.嘔吐
- 3.下痢
- 4.発熱
- 5.意識障害
対話形式の解説
博士
今日は急性胆管炎の代表症状、Charcot3徴について学ぼう。
サクラ
胆管炎ってどういう病気ですか?
博士
総胆管結石や胆管狭窄、腫瘍などで胆管が閉塞し、胆汁うっ滞と細菌感染が重なって起こる疾患だ。大腸菌やクレブシエラ、腸球菌が原因菌として多い。
サクラ
Charcot3徴は何と何と何でしたっけ?
博士
①腹痛(右季肋部痛)、②発熱(悪寒戦慄を伴うことが多い)、③黄疸の3つ。これがCharcot3徴だ。
サクラ
選択肢では黄疸と発熱が該当しますね。
博士
その通り、選択肢1と4が正解だ。選択肢2の嘔吐は胆管炎でもみられるが3徴には入らない。
サクラ
選択肢3の下痢はどうですか?
博士
下痢も3徴には含まれない。むしろ胆汁流出が悪いと脂肪便や灰白色便が出ることがあるが、3徴の構成要素ではないよ。
サクラ
選択肢5の意識障害は?
博士
意識障害は重症化の徴候で、Charcot3徴にショックと意識障害を加えたものをReynolds5徴と呼ぶ。急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)を示唆する重要なサインだ。
サクラ
なぜ黄疸が出るんですか?
博士
胆管が閉塞すると胆汁が流れなくなり、肝細胞から血中にビリルビンが逆流する。結果として血中ビリルビン(特に直接型)が上昇し皮膚や眼球結膜が黄染するんだ。
サクラ
発熱はどうして起こるんですか?
博士
うっ滞した胆汁に腸内細菌が逆行性に感染し、感染性炎症反応として発熱が生じる。悪寒戦慄を伴うのは菌血症の徴候で要注意だ。
サクラ
診断や治療はどうするんですか?
博士
診断は東京ガイドライン(TG18)に基づき、全身性炎症、胆汁うっ滞、画像所見の組み合わせで行う。治療は抗菌薬と絶食・輸液、そしてERCPや経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)による胆道ドレナージが基本だよ。
サクラ
3徴がそろわない場合もあるんですか?
博士
3徴すべてそろうのは約50〜70%。そろわなくても胆管炎を否定できないので、炎症反応や胆道系酵素、画像検査を組み合わせて総合的に判断する。
サクラ
Reynolds5徴までセットで覚えます。
POINT
急性胆管炎のCharcot3徴は腹痛・発熱・黄疸で構成され、胆管閉塞による胆汁うっ滞と細菌感染で生じます。正解は選択肢1の黄疸と選択肢4の発熱です。意識障害とショックを加えたReynolds5徴は重症胆管炎を示唆し、迅速な胆道ドレナージが必要です。TG18に基づく診断と早期治療が予後を左右します。
解答・解説
正解は 1 ・ 4 です
問題文:急性胆管炎(acute cholangitis)の代表的な3症状を示すCharcot〈シャルコー〉3徴に含まれるのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 1 と 4 です。急性胆管炎は総胆管結石、胆管狭窄、腫瘍などで胆管が閉塞し、胆汁うっ滞と細菌感染(大腸菌、クレブシエラ、腸球菌など)が重なって発症します。Charcot(シャルコー)3徴は古くから急性胆管炎を疑う典型症状として知られ、①右季肋部痛(腹痛)、②発熱(多くは悪寒戦慄を伴う)、③黄疸の3つで構成されます。3徴がそろう頻度は約50〜70%で、そろわなくても胆管炎を否定できません。
選択肢考察
-
○ 1. 黄疸
胆管閉塞による胆汁うっ滞でビリルビンが血中に逆流するため黄疸が出現します。Charcot3徴の一つで正解です。
-
× 2. 嘔吐
嘔吐は胆管炎でもみられる症状ですが、Charcot3徴には含まれません。消化器疾患一般に非特異的な症状です。
-
× 3. 下痢
下痢はCharcot3徴に含まれません。胆管炎では胆汁流出障害により脂肪便や灰白色便がみられることはありますが3徴の構成要素ではありません。
-
○ 4. 発熱
細菌感染による炎症反応として発熱(しばしば悪寒戦慄を伴う)が出現します。Charcot3徴の一つで正解です。
-
× 5. 意識障害
意識障害とショックは重症化したReynolds(レイノルズ)5徴の構成要素であり、Charcot3徴には含まれません。
Charcot3徴に意識障害とショックを加えたものをReynolds(レイノルズ)5徴と呼び、急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)など重症胆管炎を示唆します。診断は東京ガイドライン(TG18)に基づき、A. 全身性炎症(発熱、血液炎症反応)、B. 胆汁うっ滞(黄疸、肝機能異常)、C. 画像所見(胆管拡張、結石、狭窄)の組み合わせで行われます。治療は抗菌薬、絶食、輸液、そしてERCPや経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)による胆道ドレナージが基本です。
急性胆管炎のCharcot3徴(腹痛・発熱・黄疸)とReynolds5徴の違いを理解しているかを問う問題です。
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