BarthelインデックスはADL評価
看護師国家試験 第108回 午後 第79問 / 基礎看護学 / 看護における基本技術
国試問題にチャレンジ
Barthel<バーセル>インデックスで評価するのはどれか。
- 1.栄養状態
- 2.疼痛の強さ
- 3.褥瘡の深さ
- 4.日常生活動作
- 5.呼吸困難の程度
対話形式の解説
博士
今日はBarthelインデックスについてじゃ。何の評価に使うか言えるかの?
サクラ
日常生活動作、ADLですよね。
博士
その通り。1965年にMahoneyとBarthelが開発した古典的なADL評価尺度じゃ。
サクラ
何項目あるんですか?
博士
10項目じゃ。食事、移乗、整容、トイレ動作、入浴、歩行、階段昇降、更衣、排便コントロール、排尿コントロール、そして各項目を0〜15点で評点し、合計100点満点になる。
サクラ
100点満点に近いほど自立度が高いんですね。
博士
そうじゃ。だから選択肢4の日常生活動作が正解になる。
サクラ
選択肢1の栄養状態はどう評価するんですか?
博士
MNA、SGA、BMI、血清アルブミン値などを組み合わせて評価する。Barthelは使わん。
サクラ
選択肢2の疼痛は?
博士
NRSやVAS、フェイススケール、緩和ケアではSTAS-Jなどじゃ。数値や表情で主観的強度を評価する。
サクラ
選択肢3の褥瘡の深さは?
博士
NPUAP分類のステージⅠ〜Ⅳと判定不能・DTI疑い、あるいは日本褥瘡学会のDESIGN-Rじゃ。DESIGN-Rは重症度と治癒過程を数量化できるのが特徴じゃよ。
サクラ
選択肢5の呼吸困難は?
博士
修正BorgスケールやmMRC、NRS、VASじゃ。mMRCは息切れの程度を5段階で評価する。
サクラ
BarthelとFIMの違いは?
博士
FIMは運動13項目+認知5項目の計18項目を7段階で評価し、『している』ADLを評価する。Barthelは『できる』最大能力を評価して簡便じゃ。
サクラ
目的で使い分けるんですね。
博士
そうじゃ。IADLの評価には老研式活動能力指標もあるから押さえておこう。
POINT
Barthelインデックスは食事・移乗・整容など10項目を0〜100点で評価するADL評価尺度です。栄養はMNA、疼痛はNRS、褥瘡はDESIGN-R、呼吸困難はmMRCなど、評価対象ごとに適切なスケールがあります。本問の正解は選択肢4の日常生活動作で、評価尺度と評価対象の組合せをしっかり押さえましょう。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:Barthel<バーセル>インデックスで評価するのはどれか。
解説:正解は 4 です。Barthel インデックスは1965年にMahoneyとBarthelが開発した日常生活動作(ADL)の評価尺度です。食事、移乗、整容、トイレ動作、入浴、歩行(移動)、階段昇降、更衣、排便コントロール、排尿コントロールの10項目を0〜15点で評点し、合計100点満点で評価します。点数が高いほど自立度が高いことを示し、リハビリテーションや介護の場で広く用いられています。
選択肢考察
-
× 1. 栄養状態
栄養状態の評価にはMNA(簡易栄養状態評価表)、SGA(主観的包括的評価)、BMI、血清アルブミン値などが用いられ、Barthelインデックスの評価対象ではありません。
-
× 2. 疼痛の強さ
疼痛評価にはNRS(数値評価スケール)、VAS(視覚的アナログスケール)、フェイススケール、STAS-Jなどが用いられます。Barthelインデックスの対象ではありません。
-
× 3. 褥瘡の深さ
褥瘡評価にはNPUAP分類(ステージⅠ〜Ⅳ、判定不能、DTI疑い)や日本褥瘡学会のDESIGN-Rが用いられます。Barthelインデックスの対象ではありません。
-
○ 4. 日常生活動作
Barthelインデックスは10項目のADLを0〜100点で評価する古典的なADL評価尺度で、これが正解です。
-
× 5. 呼吸困難の程度
呼吸困難評価には修正Borgスケール、NRS、VAS、mMRC(修正MRC息切れスケール)などが用いられます。Barthelインデックスの対象ではありません。
ADL評価尺度はBarthelインデックスの他に、FIM(機能的自立度評価法)があります。FIMは運動13項目+認知5項目の計18項目を7段階で評価し、『している』ADLを評価するのが特徴です。一方Barthelは『できる』最大能力を評価し、簡便さが利点です。IADL(手段的ADL)評価には老研式活動能力指標やLawton尺度があり、目的に応じて使い分けましょう。
BarthelインデックスがADL評価尺度であることと、他の評価尺度(栄養・疼痛・褥瘡・呼吸困難)との区別を理解しているかを問う問題です。
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