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主観的情報と客観的情報ーSOAP記録の基本を押さえる

看護師国家試験 第106回 午前 第38問 / 基礎看護学 / 看護の展開

国試問題にチャレンジ

106回 午前 第38問

看護における情報について正しいのはどれか。

  1. 1.尺度で測定された患者の心理状態は主観的情報である。
  2. 2.入院費用に関する患者の不安は客観的情報である。
  3. 3.観察した食事摂取量は客観的情報である。
  4. 4.既往歴は主観的情報である。

対話形式の解説

博士 博士

今日は看護記録の基本、主観的情報と客観的情報の区別を学ぶぞ。

アユム アユム

SOAPのSとOのことですね。患者の言葉がS、データがOというイメージです。

博士 博士

その理解でほぼ正しい。もう少し正確には、S=患者本人にしかわからない内的体験(痛み、不安、希望など)、O=誰が観察しても同じように把握できる事実(バイタル、検査、観察)じゃ。

アユム アユム

でも尺度で測定した心理状態は?心理状態って主観ですよね?

博士 博士

ここが重要なひっかけじゃ。心理状態それ自体は主観的だが、標準化された尺度(フェイススケール、NRS、SDS、STAIなど)で点数化された時点で、誰が測定しても同じ結果になる「客観化された情報」になる。

アユム アユム

つまり選択肢1は誤り、尺度で測ったらO情報ですね。

博士 博士

その通り。国試頻出の落とし穴じゃ。

アユム アユム

選択肢2「入院費用に関する不安」はどうですか?

博士 博士

不安は患者の感情だから主観的情報。Sに該当する。だから「客観的情報」という選択肢は誤り。

アユム アユム

選択肢3「観察した食事摂取量」は客観ですか?

博士 博士

観察による事実で、○割摂取、○g、○kcalと数値化できるから客観的情報じゃ。

アユム アユム

選択肢4の既往歴は…これは本人が話すと主観ですか?

博士 博士

病歴として本人の語りで入手することはあるが、既往歴は「過去に診断された事実としての病名情報」じゃから、カルテ・紹介状でも確認できる客観的情報に分類する。

アユム アユム

SOAPのAとPは何でしたっけ?

博士 博士

A(Assessment)=SとOを統合した看護判断・評価。P(Plan)=判断に基づく看護計画。SOAPは「情報収集→判断→計画」の論理展開を記録する形式じゃ。

アユム アユム

痛みは主観ですよね?

博士 博士

痛みそのものは本人にしかわからないが、NRS(0〜10)やVAS、フェイススケールで数値化するとO情報として共有できる。だから記録時は「S:『胸が痛い』/O:NRS 7」のようにSとOの両方に書くのが良い。

アユム アユム

バイタルサインは当然Oですね。

博士 博士

体温・脈拍・血圧・呼吸数・SpO2は典型的な客観的情報。検査データ、画像所見、ADL評価、身長体重、食事・排泄量もO情報じゃ。

アユム アユム

「眠れない」と患者が言った場合は?

博士 博士

「眠れないと訴える」はS情報。「22時消灯後、2時まで起きているのを観察」はO情報として分けて記録するのが正しい。

アユム アユム

SとOを分けることで、看護判断(A)の根拠が明確になるんですね。

博士 博士

その通り。記録の一貫性と論理性が看護の質を高めるのじゃ。

POINT

看護情報は主観的情報(S:Subjective)と客観的情報(O:Objective)に大別され、前者は患者本人にしかわからない訴え・感情・自覚症状、後者はバイタル・検査値・観察所見など誰でも同じように把握できる事実です。標準化尺度(NRS、フェイススケール、SDS、STAIなど)で点数化された心理状態は客観的情報として扱う点が重要な落とし穴。観察した食事摂取量は測定・可視化できる事実なので客観的情報、既往歴は診断済みの事実情報として客観的情報、一方で「入院費用への不安」は患者の感情なので主観的情報です。SOAP記録では情報を適切に区分することで看護判断(A)と計画(P)の論理的根拠が明確になり、看護の質の向上につながります。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:看護における情報について正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。看護記録で用いられる情報は、SOAP形式の「S(Subjective:主観的情報)」と「O(Objective:客観的情報)」に分けられます。主観的情報は患者本人の訴え・感情・自覚症状、客観的情報はバイタルサイン・検査データ・観察により誰が見ても同じように把握できる事実です。観察した食事摂取量(○割摂取など数値化・可視化できる量)は客観的情報に該当します。

選択肢考察

  1. × 1.  尺度で測定された患者の心理状態は主観的情報である。

    もともと心理状態は主観だが、フェイススケールやうつ病自己評価尺度(SDS)、STAIなど標準化された尺度で点数化されると誰が見ても同じ値として共有できるため「客観的情報」に位置づけられる。

  2. × 2.  入院費用に関する患者の不安は客観的情報である。

    不安は患者自身の感情で、本人にしか感じられない内的状態。患者の言葉として表出されるため「主観的情報」。

  3. 3.  観察した食事摂取量は客観的情報である。

    食事摂取量(○割、○g、○kcal)は観察者が誰であってもほぼ同様に記録できる事実であり、測定・観察に基づくため客観的情報である。

  4. × 4.  既往歴は主観的情報である。

    既往歴は既に診断された事実としての病名情報であり、診療録・紹介状から確認できる客観的データ。患者の語りから入手する場合もあるが、診断された疾患名としての情報は客観的情報に分類される。

SOAP記録:S(Subjective、主観的情報/患者の訴え・発言)、O(Objective、客観的情報/バイタル・検査値・観察所見)、A(Assessment、アセスメント/S・Oを統合した看護判断)、P(Plan、計画/ケア計画・介入)。他の主観情報の例:痛み、倦怠感、不安、希望、価値観、生活歴の語り。他の客観情報の例:体温・脈拍・血圧・呼吸数、検査データ、画像所見、尺度・スケール得点、身体所見、ADL評価、食事・排泄量。主観を客観化する代表例として、痛みのNRS・VAS・フェイススケール、抑うつのSDS・HADS、不安のSTAIなどがある。

主観的情報と客観的情報の区別、特に「尺度により客観化された心理状態は客観的情報」「既往歴は客観的情報」という判別ポイントを問う基礎看護の典型問題。