直腸癌術後に起こる排尿障害をマスターしよう
看護師国家試験 第104回 午後 第91問(状況設定問題)
国試問題にチャレンジ
状況設定
Aさん(45歳、男性)は、便に血液が混じっていたため受診した。検査の結果、直腸癌(rectal cancer)と診断され、自律神経を部分温存する低位前方切除術が予定されている。
術後に予測されるのはどれか。
- 1.排尿障害
- 2.輸入脚症候群(afferent loop syndrome)
- 3.ストーマの陥没
- 4.ダンピング症候群(dumping syndrome)
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
直腸癌手術における骨盤内自律神経損傷と排尿障害の関連を問う設問です。
解答・解説
正解は1です
問題文:術後に予測されるのはどれか。
解説:正解は1の「排尿障害」です。直腸の周囲には膀胱や陰茎の機能を支配する骨盤神経叢が走行しており、Aさんは自律神経を部分的に温存する術式を予定しているため、温存しきれなかった神経枝の損傷により尿意低下や排尿困難、尿閉などの排尿障害が高頻度で起こり得ます。男性では勃起障害が併発することもあります。
選択肢考察
- ○1. 排尿障害
直腸間膜や仙骨前面の剥離操作で骨盤内自律神経が損傷されると、膀胱の収縮や尿道括約筋の協調が乱れ、尿閉や残尿、頻尿などの排尿障害が出現します。部分温存術式では完全温存に比べて発症率が高く、術後に予測すべき代表的な合併症です。
- ×2. 輸入脚症候群(afferent loop syndrome)
輸入脚症候群はビルロートII法など胃切除後の再建で輸入脚に内容物がうっ滞して起こる病態であり、直腸切除では発生しません。
- ×3. ストーマの陥没
低位前方切除術は肛門括約筋を温存して結腸と直腸断端を吻合する術式であり、永久的人工肛門は造設しないため、ストーマの陥没は問題になりません。
- ×4. ダンピング症候群(dumping syndrome)
ダンピング症候群は胃切除後に食物が急速に小腸へ流入することで生じる症候群であり、直腸切除では起こりません。
下腹神経(交感)と骨盤神経(副交感)、陰部神経が膀胱・性機能を支配します。直腸全間膜切除(TME)では神経温存度に応じて自律神経全温存・片側温存・部分温存・非温存に分類されます。術後は導尿カテーテル抜去後の残尿量測定や排尿日誌、間欠導尿の指導が重要です。
直腸癌手術における骨盤内自律神経損傷と排尿障害の関連を問う設問です。
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