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ドレーン排液から読み取る縫合不全

看護師国家試験 第104午後93(状況設定問題)

国試問題にチャレンジ

104午後93

状況設定

Aさん(45歳、男性)は、便に血液が混じっていたため受診した。検査の結果、直腸癌(rectal cancer)と診断され、自律神経を部分温存する低位前方切除術が予定されている。

術後6日。ドレーンから茶褐色で悪臭のある排液があった。Aさんは、体温38.2℃、呼吸数20/分、脈拍82/分、整であった。 Aさんの状態で最も可能性が高いのはどれか。

  1. 1.腸炎
  2. 2.胆汁瘻
  3. 3.イレウス(ileus)
  4. 4.縫合不全
  5. 5.術後出血

対話形式の解説

博士博士
今日はドレーン排液の性状から術後合併症を見抜く力を養うぞい。
サクラサクラ
茶褐色で悪臭がある排液というのが気になります。
博士博士
そう、これは典型的な腸内容物漏出のサインじゃ。
サクラサクラ
術後6日というタイミングも重要ですね。
博士博士
縫合不全は3日目から7日目に好発する。Aさんはまさに時期の中じゃ。
サクラサクラ
選択肢1の腸炎ではどうですか。
博士博士
腸炎なら下痢や腹痛が中心で、腹腔内ドレーンから便様排液が出る理由にはならんのう。
サクラサクラ
胆汁瘻は胆嚢を触っていない直腸手術では起こりませんね。
博士博士
その通り。胆汁は黄褐色〜緑色で悪臭はないぞい。
サクラサクラ
イレウスは腹部膨満や嘔吐がメインですね。
博士博士
ドレーンの性状とは別の症候群じゃ。
サクラサクラ
術後出血は時期が違いますね。
博士博士
術後出血は24〜48時間以内が多く、排液も鮮血じゃ。
サクラサクラ
縫合不全と判断したら絶食と抗菌薬、洗浄ですね。
博士博士
さらに重症なら再手術や一時的人工肛門造設も視野に入るぞい。

POINT

術後ドレーン排液の性状と発生時期から、縫合不全を見抜けるかを問う設問です。

解答・解説

正解は4です

問題文:術後6日。ドレーンから茶褐色で悪臭のある排液があった。Aさんは、体温38.2℃、呼吸数20/分、脈拍82/分、整であった。 Aさんの状態で最も可能性が高いのはどれか。

解説:正解は4の「縫合不全」です。低位前方切除術後3〜7日は吻合部の縫合不全が好発する時期であり、ドレーンから茶褐色で悪臭を伴う排液が認められた場合は腸内容物の腹腔内漏出が強く疑われます。発熱もあり、腹腔内感染による腹膜炎の徴候とも合致します。

選択肢考察

  1. ×1.  腸炎

    腸炎では下痢や腹痛が前面に出ます。腹腔内ドレーンから茶褐色悪臭便様の排液が出る理由を説明できないため、第一には選びません。

  2. ×2.  胆汁瘻

    低位前方切除術では胆道系を操作しないため胆汁瘻は起こりません。胆汁は黄褐色〜緑色で悪臭を伴いません。

  3. ×3.  イレウス(ileus)

    イレウスでは嘔吐・腹部膨満・排ガス停止が主症状であり、ドレーンからの茶褐色排液という所見にはつながりません。

  4. 4.  縫合不全

    術後3〜7日に好発し、吻合部から腸内容物が漏出することでドレーンから茶褐色で悪臭のある排液が観察されます。発熱は腹膜炎を示唆し、Aさんの状態に最も合致します。

  5. ×5.  術後出血

    術後出血は通常24〜48時間以内に発生し、排液は鮮血〜血性が中心です。術後6日目で茶褐色悪臭便様の排液とは性状が異なります。

縫合不全の危険因子には低栄養、糖尿病、ステロイド使用、喫煙、低位吻合などがあります。早期発見のためドレーン排液の量・性状・におい、発熱、CRP・白血球の上昇、腹部所見をセットで評価し、判明後は絶食・抗菌薬・ドレーン洗浄、必要時は再手術や人工肛門造設が検討されます。

術後ドレーン排液の性状と発生時期から、縫合不全を見抜けるかを問う設問です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。