上腕骨顆上骨折ギプス固定後の合併症観察
看護師国家試験 第110回 午前 第104問(状況設定問題)
国試問題にチャレンジ
状況設定
A君( 7歳、男児)は、サッカークラブに所属している。本日、練習中に転倒して右腕を地面についた後、肘周囲に腫れと強い痛みが生じたため、父親と救急外来を受診した。エックス線撮影の結果、右側の上腕骨顆上骨折( supracondylar fracture of humerus )と診断され、非観血的整復とギプス固定が行われることになった。A君は不安な表情で父親と処置室の前で待っている。
A君は、整復術後の経過観察のため1泊入院することになった。整復術後の合併症の観察方法で適切なのはどれか。
- 1.患側の肩の皮膚色を観察する。
- 2.患肢の観察は8時間ごとに行う。
- 3.感覚鈍麻の有無は患肢の手指を触れて観察する。
- 4.冷感はギプスの中に看護師が手を入れて観察する。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
ギプス固定後の神経血管障害の観察部位と観察頻度の原則を問う問題です。
解答・解説
正解は3です
問題文:A君は、整復術後の経過観察のため1泊入院することになった。整復術後の合併症の観察方法で適切なのはどれか。
解説:正解は3です。ギプス固定による代表的な合併症は、腫脹に伴う循環障害と神経障害であり、患肢末梢である手指で評価します。手指に触れて感覚鈍麻の有無、しびれ、疼痛、運動障害を確認することでコンパートメント症候群やフォルクマン拘縮の早期発見につながります。観察は末梢で行うことが基本原則です。
選択肢考察
- ×1. 患側の肩の皮膚色を観察する。
循環障害はギプスより末梢で顕著に現れるため、肩ではなく指先や爪床(爪を押して戻る時間=CRT)で皮膚色を観察します。肩では循環障害を捉えられません。
- ×2. 患肢の観察は8時間ごとに行う。
ギプス固定後12〜24時間は腫脹が進み循環・神経障害のリスクが最も高いため、頻回(数十分〜数時間ごと)に観察します。8時間間隔では発見が遅れます。
- ○3. 感覚鈍麻の有無は患肢の手指を触れて観察する。
神経障害や循環障害は末梢から現れるため、患肢の手指に直接触れて感覚の左右差、しびれ、運動の可否を確認することが最も適切です。
- ×4. 冷感はギプスの中に看護師が手を入れて観察する。
ギプス内に手を入れると固定がずれたり皮膚を傷つけたりします。冷感も末梢の手指で観察し、皮膚色・爪床の色・動脈触知と合わせて評価します。
上腕骨顆上骨折では上腕動脈損傷による虚血からフォルクマン拘縮(前腕屈筋群の阻血性拘縮)に至る危険があります。5P徴候(pain、pallor、pulselessness、paresthesia、paralysis)を末梢で観察し、痛みの増強や指の伸展時痛は警告サインです。ギプスカットやバイバルビングの準備も念頭に置きます。
ギプス固定後の神経血管障害の観察部位と観察頻度の原則を問う問題です。
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