軽度認知症高齢者の金銭管理を支える制度は?
看護師国家試験 第113回 午前 第98問(状況設定問題)
国試問題にチャレンジ
状況設定
Aさん(72歳、女性)は、1人で暮らしている。小学校の教員を定年退職後、書道教室に月2回、体操教室に月1回通っている。20年前に高血圧症(hypertension)と診断され、月に1回かかりつけの病院を受診し、内服治療をしている。6か月前から、Aさんは病院の受診日を間違えたり、書道教室の日時を忘れることがあり、かかりつけの医師に相談した。Aさんは認知症専門医を紹介され、Mini−Mental State Examination <MMSE>18点で、軽度のAlzheimer(アルツハイマー)型認知症(Alzheimer disease)と診断された。
診断から2か月後、かかりつけの病院の看護師にAさんは「50年以上住んでいるこの土地で、できるだけ他人の迷惑にならず生活を続けたいと思って貯金もしてきました。私は軽い認知症(dementia)だと言われたのですが、これからも自分でお金の管理ができるか心配です。どうしたらよいのでしょうか。私が使えるサービスがあれば知りたいです」と話した。 Aさんが利用できるのはどれか。
- 1.生活保護制度
- 2.地域生活支援事業
- 3.後期高齢者医療制度
- 4.日常生活自立支援事業
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
軽度認知症高齢者の在宅金銭管理を支える社会資源を選べるかを問う設問です。日常生活自立支援事業と成年後見制度の対象と役割の違いが鍵です。
解答・解説
正解は4です
問題文:診断から2か月後、かかりつけの病院の看護師にAさんは「50年以上住んでいるこの土地で、できるだけ他人の迷惑にならず生活を続けたいと思って貯金もしてきました。私は軽い認知症(dementia)だと言われたのですが、これからも自分でお金の管理ができるか心配です。どうしたらよいのでしょうか。私が使えるサービスがあれば知りたいです」と話した。 Aさんが利用できるのはどれか。
解説:正解は4の日常生活自立支援事業です。認知症や知的障害などにより判断能力が不十分な人が、在宅で福祉サービス利用援助・日常的金銭管理・書類預かりを受けられる社会福祉協議会の事業で、契約に基づき生活支援員が月数回訪問して支援します。Aさんのように軽度認知症で金銭管理に不安をもつ在宅高齢者に最適です。
選択肢考察
- ×1. 生活保護制度
生活保護は資産・能力を活用しても最低限度の生活を維持できない人への公的扶助で、Aさんには貯金があり経済的困窮の要件を満たしません。金銭管理支援を目的とする制度ではなく適用対象外です。
- ×2. 地域生活支援事業
地域生活支援事業は障害者総合支援法に基づき市町村が実施する障害者向け事業です。移動支援や意思疎通支援などが柱で、認知症高齢者の金銭管理支援を目的とする事業ではありません。
- ×3. 後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度は75歳以上(一定障害があれば65歳以上)を対象とした医療保険制度です。Aさんは72歳で該当年齢未満であり、また医療費負担の制度であって金銭管理支援とは関連しません。
- ○4. 日常生活自立支援事業
正解です。社会福祉協議会が実施し、判断能力が不十分な人の福祉サービス利用援助、日常的金銭管理、通帳や印鑑の預かりなどを行います。契約による利用が前提で、自己決定を尊重しながら在宅生活を支えます。
判断能力支援の制度は段階的に整理します。判断能力がある程度残る軽度者には『日常生活自立支援事業』(契約制・社協が窓口)、低下が進み契約能力を失った場合は『成年後見制度』(法定後見:後見・保佐・補助/任意後見)へ移行します。成年後見のうち後見類型では不動産処分や遺産分割など重要な法律行為を代行でき、日常生活自立支援事業との違いを押さえましょう。
軽度認知症高齢者の在宅金銭管理を支える社会資源を選べるかを問う設問です。日常生活自立支援事業と成年後見制度の対象と役割の違いが鍵です。
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